2021/09/04 19:00


秋といえば、様々な食材が収穫され、美味しいものが沢山いただける季節です。


お家にこもりがちなこの頃、伝統的工芸品の器で、秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょう。





蓋と本体にツタの蒔絵の入った吸物椀をご紹介します。


漆器の吸物椀は、ふたを開ける瞬間まで、料理の香りと温かさを閉じ込めてくれます。





内側は、料理の映える黒漆塗りです。





蓋の内側にもツタの蒔絵が施され、目を楽しませてくれます。





色は、洗朱内黒と、外も内も黒漆塗りの2タイプがあります。





1872年(明治5年)創業、伝統的工芸品 川連漆器を製造する佐藤善六漆器店により作られた吸物椀です。


川連漆器の特徴の一つである、花塗り(はなぬり)という高度な技法で塗り上げられています。


花塗りとは、塗った後に研いだり磨いたりせず、漆の流れを予測し、刷毛で塗り上げ、そのまま乾燥させる技法で、優しく柔らかな風合いに仕上がります。


天然の木地に、天然の漆を使い、職人の手により一つ一つ丁寧に塗り上げられていて、使うほどに、色艶が出て、漆の味わいを楽しむことができます。



[ サイズ ] ø13.0 × h6.0cm

[  色  ] 洗朱内黒 / 黒

[ 素 材 ] 天然木・天然漆

[ 製 造 ] 日本製(秋田県 川連漆器)






<川連漆器の歴史>

川連漆器の始まりは、今をさかのぼること約八百年前の鎌倉時代、源頼朝の家人で稲庭城主の小野寺重道の弟、道矩が、古四王野尻大舘(現在の秋田県湯沢市川連町大舘)に居住し、豊富な木材と漆を用い、家臣に内職として武具に漆を塗らせたのが始まりと言われております。

江戸時代初期、本格的に漆器産業が始まり、後期には藩の保護の元、椀・膳・重箱など幅広い生活用品がつくられ、沈金・蒔絵などの加飾が加わりました。

また、明治初期にはさらに新しい技術開発が行われ、今日の川連漆器の特色である堅牢な漆器が作られるようになりました。

昭和五十一年十二月に、国の伝統的工芸品の指定を受け、今では全国でも有数な産地として成長しております。