2021/06/02 15:33
普段の汁椀にプラスして、飯椀や丼物用のお椀、そば椀など大きめサイズのお椀を揃えてみてはいかがでしょうか?
そんな大きめサイズの お椀の選び方とおすすめ についてお話しをいたします。
毎日のお味噌汁に使う様な、通常サイズの汁椀の選び方は、「汁椀の選び方とおすすめ -サイズ、形状の違い-」ページをご覧ください。
持ち上げやすく、保温効果があり、汚れもつきにくい「飯椀」。
直径は11.6cmと普通の汁椀くらいのサイズですが、深さがあり、具沢山なお味噌汁や、ご飯用の椀としてお使いいただける「飯椀」をご紹介します。
漆器の「飯椀」は、ベースが木材なので、保温効果が高く、ご飯が冷めにくいのが特徴です。
口がすぼまっていることから、さらに保温効果が期待でき、さらに、熱々のご飯をもっても、木が熱を伝えにくい為、手が熱くなりません。
こちらの飯椀は、高台が高く、手にしっくりと馴染む布袋型で、持ち上げやすく、愛嬌のある形をしているのが特徴です。
漆は、汚れが付きにくいという特性もあるので、ご飯粒や、納豆の汚れも、簡単に洗い落とすことができます。
もちろん、普段使いのお味噌汁にもお使いいただけますし、具材の多い豚汁などにもぴったりです。
非常に使い勝手の良いお椀で、2つ目のお椀におすすめです。
お値段も手頃ですので、漆器デビューにもぴったりなお椀です。
大きすぎず、取り回しの良い「多用椀」。
大きすぎず、名前の通り、様々な用途に使用できる、取り回しの良いお椀が「多用椀」です。
口径は、4寸5分(13.5cm)で、ラーメンどんぶりの様に大きくは無く、両手の平に収まりの良いサイズ感です。
直径はそこまで大きくないのですが、深さがあるので、具沢山の汁物や、丼物、麺類、お雑煮など様々な用途にお使いいただけます。
形状としては、飯椀をそのまま大きくした様な形で、高台が高くなっており、口がすぼまった布袋型なので、手にしっくりと馴染み、また、陶器よりも軽いので、とても持ち上げやすいです。
丸みを帯びた形ですので、可愛らしい見た目で、漆のしっとりとした質感も相まって、ずっと手に包み込んでいたくなる様なそんなお椀です。
様々な用途で使うお椀をお探しでしたら、「多用椀」がおすすめです。
蕎麦や、稲庭うどん にもちょうどいいサイズの「そば椀」
口径が5寸(15cm)と大きく、蕎麦や、うどん等、麺類にちょうどいいサイズの「そば椀」をご紹介します。
どっしりとした安定感のある形で、麺類を入れても安心して使用していただけると共に、高台が高いので、持ち上げやすいお椀です。
川連町と同じ湯沢市内で有名な、日本三大うどんの一つ「稲庭うどん」を盛り付けるのにも最適です!
また、高台の底は丸く加工しているので、水切れがよく、洗った後、水気を拭き取るのも簡単です。
大きく堂々とした佇まいの「大名椀」
直径が16cmとかなり大きめな、蓋つきのお椀をご紹介。
「大名椀」という名前の通り、高台も肉厚で堂々とした佇まいのお椀です。
伊勢海老や鯛などの豪華なお吸い物用としては勿論、魚の煮付けなど様々な料理を盛り付けたりと、幅広くお使いいただけます。
お正月や、晴れの日などに、お料理を盛り付けると、華やかさをプラスできます。
大きめサイズの お椀のサイズ・形状比較
大きめサイズのお椀のサイズ、形状を横から比べてみました。
大きいサイズのお椀は、普通の汁椀(三寸九分汁椀)に比べ高台が高くなっており、持ち上げやすい形状になっています。
その分、高さもあり、堂々として見栄えのいいお椀です。
飯椀、多用椀は、口がすぼまっていて、愛嬌のある形状になっています。
大きめサイズの お椀の選び方とおすすめ まとめ
お椀というと、汁椀をお持ちの方は多いのではないかと思います。漆器には、汁椀以外にも、お椀が多く存在します。
今回ご紹介したのは、
ちょっと大きめで、ご飯、豚汁などにピッタリな「飯椀」、
丼物、お雑煮など様々な用途に使用できる「多用椀」、
麺類にちょうどいい「そば椀」、
豪華なお吸い物や料理の盛り付けに使用できる「大名椀」です。
どの様なシーンにお椀をお使いになるか、用途に合わせてお選びになってみてください。
大きめなお椀は、食事と生活を優しく包み込み、気持ちも豊かにしてくれるのではないでしょうか。
また、普段のお味噌汁に使用する汁椀をお探しの方は、「汁椀の選び方とおすすめ -サイズ、形状の違い-」ページも合わせてご覧ください。
漆器は、すべて天然の素材から作られており、しっとりとした特徴的な優しい肌触りをしています、そんな器に触れていると、優しい気持ちになれるのではないでしょうか。
また、漆は、耐久性、耐水性、断熱性があり、酸、アルカリ、アルコールにも強い特性があり、現代の化学塗料よりも優れた塗料であると言われています。
何千年も前の遺跡から、漆塗りの物が出土していることから、その耐久性は明らかではないでしょうか。
最近では、表面についた、菌を抑制する抑菌作用があることも分かってきました。
そんな優れた特性のある漆器を、様々な食事のシーンに取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介したお椀は、佐藤善六漆器店の商品です。
〈佐藤善六漆器店について〉
1872年(明治5年)に佐藤善六漆器店として、創業。
秋田県湯沢市川連町にて、川連漆器(かわつらしっき)を製造販売しています。
川連漆器は、非常に丈夫で使い易く廉価なため、普段使いに適した実用的な漆器です。
花塗り(はなぬり)という高度な技法を使って仕上げているのが、川連漆器の特徴の一つです。
花塗りとは、塗った後に研いだり磨いたりせずに、漆の流れ方を予測しながら刷毛で塗り上げ、そのまま乾燥させる技法で、優しく柔らかな風合いに仕上げることができます。
製品の木地はすべて天然木で、天然の漆を一つ一つ手作業で丁寧に塗り上げています。
安心、安全な天然素材を使用し、受け継いできた伝統と技術を守りながら、現代のライフスタイルに合わせた器を作り続けています。
〈川連漆器の歴史〉
川連漆器の始まりは、今をさかのぼること約八百年前の鎌倉時代、源頼朝の家人で稲庭城主の小野寺重道の弟、道矩が、古四王野尻大舘(現在の秋田県湯沢市川連町大舘)に居住し、豊富な木材と漆を用い、家臣に内職として武具に漆を塗らせたのが始まりと言われております。
江戸時代初期、本格的に漆器産業が始まり、後期には藩の保護の元、椀・膳・重箱など幅広い生活用品がつくられ、沈金・蒔絵などの加飾が加わりました。
また、明治初期にはさらに新しい技術開発が行われ、今日の川連漆器の特色である堅牢な漆器が作られるようになりました。
昭和五十一年十二月に、国の伝統工芸品の指定を受け、今では全国でも有数な産地として成長しております。